YシャツのクリーニングCleaning【ワイシャツの百科事典】

  • クリーニング店に出す時は


    自宅での洗濯にも限界がある。特に白いワイシャツが黄ばんでしまうのはしかたないこと。
    10回に1回は信頼できるクリーニング店に出すのが望ましいが、クリーニング店も店によって全く特徴が違う。
    安易に近所のクリーニング店を利用するのではなく、自分の用途に応じたクリーニング店を利用できれば、もっと満足度は上がるはず!!

  • ハンギングのワイシャツ

  • 出すタイミング


    シミや汚れは、時間の経過とともに落ちにくくなり、さらにカビや変色・異臭(時間が経った汚れが酸化して変色・酸化臭を発するようになる)の原因や、虫に食われる可能性も高くなる。“さあ、これからシーズンだ”というタイミングではなく、シーズンが終わって収納する前の、なるべく早い時期にクリーニングに出すのが望ましい。そうすれば大切な衣類の寿命を延ばすことができる。

  • クリーニングの種類


    クリーニングの方法は大きく分けて3つ。水溶性洗剤による水洗いのランドリークリーニングとウェットクリーニング。揮発性溶剤による溶剤洗いのドライクリーニングがある。人間の体から出る皮脂汚れはドライクリーニングが得意で、汗染みはランドリーとウェットクリーニングが落ちやすい。洗い方にはそれぞれ長所・短所があり、意識することで衣類を長持ちさせる事ができる。

  • クリーニングの特徴


    ■ドライクリーニングの特徴
    体から分泌される油分などの油性汚れが良く落ちる。
    型くずれや縮みが起こりにくい。
    色落ちしにくい。
    ■ウェットクリーニングの特徴
    温水洗濯のため汗などの水溶性汚れが非常に落ちやすい。
    プリント柄や、接着してある装飾パーツが剥がれにくい。
    価格が高い。
    ■ランドリークリーニングの特徴
    汗などの水溶性汚れが落ちやすい。
    価格が安い。
    高温プレスで生地がいたみやすい。

  • 夏場のクリーニング


    一般論で言うなれば、クリーニング店は洗濯のプロ。その洗濯のプロが汗をかく季節に、水洗いを勧めて来るのは当然の事で、決して高い代金をもらおうとしているのではない。逆に夏場で水洗いを勧めない店は、クリーニングの洗いを理解していない、全くの素人といっても過言ではない。汗をかく季節は、ドライクリーニングではなく、プラス料金がかかってもウェットクリーニング(水洗い)をおすすめする。ちなみに色柄物以外のワイシャツは、特別な要求がない限り料金が安いランドリークリーニング(水洗い)となる。

  • 形態安定シャツは不向き


    通常のクリーニングは、半乾きの状態で高圧プレスし強制的にアイロン乾燥。これが形態安定シャツの衿とカフスにダメージを与える。 形態安定シャツは、生地がシワにならない加工だけでなく、衿やカフスに芯地と接着加工されている。この芯地の糊は高温に非常に弱く、「バブリング」といって部分的に剥がれて気泡ができたり、衿が曲がり反り返ったりする場合がある。 形態安定加工ワイシャツは、家庭洗濯を基本にして作られているため、クリーニングに出すことは、シャツへの負担が高く寿命を縮めるのでお薦めしない。

  • ワイシャツ料金が安いのは


    綿やポリエステル混紡生地のカッターシャツの場合、特に指定しない限りランドリー(水洗い)にかけるのが普通。この方が経済的で洗浄効果も高く、洗濯回数の多いシャツに適している。本来、ワイシャツのクリーニングには多くの工程があり、現状のクリーニング料金は処理内容に見合ったものではない。どこのクリーニング業者も赤字ギリギリの「超薄利多売」のため、徹底して機械化し、コストダウンを図っている。これによって、超低料金を実現しているが、この工程から少しでも外れる処理をすると途端に料金が跳ね上がることになる。

  • 出す前の注意事項


    衿の裏に着脱式のカラーキーパー(ルミラー)があれば抜いておくこと。
    気に入ったボタンや、高価な貝ボタンは洗濯で割れてしまうのを防ぐために、店に伝えなければならない。シミやホツレ、破れがある場合も事前に申請すること。良い店だと染み抜きをしてくれる場合がある。また仕上がりについては、前身頃の折ジワを防ぐため「ハンガー仕上げ」で注文を、さらに「ノリなし」でお願いするのがおすすめ。これにより料金は高くなるが、手作業によりアイロン掛けされ、シャツの寿命も格段に延びる。

  • 仕上がりチェック


    仕上がり後は、衿裏にシワが残っていないかをチェック。もし残っていれば、高温プレスのため芯地が縮んでしまった可能性がある。また袖のプリーツが揃っていて、適度なボリュームがあり、袖口が揃っているかをチェック。袖をいかに丁寧に仕上げているかが、そのクリーニング店の技術や気配りのバロメーターといえる。

  • クリーニング後の保管


    クリーニング店から届けられたシャツは、一般に通気孔のあるポリ袋で包装されている。洗濯後長期保存するときは通気孔の有無を確かめ、もし無い場合は袋から出して収納しなければならない。というのも、カビや変色・ニオイの付着の原因となる場合があり、せっかくのクリーニングで衣類を台無しにすることは避けたい。